社会民主党党首 福島瑞穂氏
社会民主党党首 福島瑞穂氏
社会民主党党首 福島瑞穂氏
社会民主党党首 福島瑞穂氏
「ボゴタの罠」に寄せられた書評
Some reviews.

私自身、大手銀行で永年中央官庁関連ビジネスを担当してきた経験から、高級官僚の世界(この作品では外務省JICA)の汚さ、組織防衛の凄まじさをよく知っているが、この作品はそんな世界に鋭くリアルに切り込んでいる。 おそらく作者の狙いは、汚れた官の世界を糾弾することにあるのだろうが、作者はそれを、JICA下級事務官の轢断事故、それを調べようとした部下のコロンビアでの誘拐殺人事件というドラマチックなストーリーに仕立てることにより、堅苦しい社会派小説で終わらせず、エンターテイメントとして成功させている。逆にこの作品が単に軽いエンターテイメントではなく、ずっしりした量感を持っているのは、作者の腐敗した官僚社会に対する強い怒りがバックボーンとしてあるからだろう。この種エンターテイメントに社民党党首福島瑞穂氏の推薦文があるのは珍しいが頷ける。(瑞穂さんもなかなか粋じゃん)
偶々友人に勧められて読んだ本だったが、全くの新人でもこんなに筆力のある作家がいることに驚いた。特に、JICA次長の轢死場面、英国の誘拐コンサルタント、セットリング・クライシス社の交渉人スティーブン・ブッシェルが、誘拐犯との取引に失敗し被害者を目の前で殺されるシーンなどは迫力満点。 日本、アメリカ、メキシコ、コロンビアとストーリーはスピーディーに展開する。映画にしたら最高に面白いだろう。
アマゾンの記事でこの作家を調べても、この作品が出てから1年半次の作品が出ていないようだが、是非処女作を裏切らない第二作が出ることを切望する。
              

「事実は小説よりも奇なり」と言われるが、この小説のような事実が実際にあってもおかしくないと思わせるストーリー。 面白くて一気に読み進みました。

ODAを巡る不正、与党の派閥争い、南米の人質事件、英国誘拐保険専門会社の交渉人、重なる殺人…映画のように現代がつまっている。息もつかせぬスピード感がある。面白すぎて「ありえない」状況が次々と展開される。だが私は著者を知っている。そして著者が日本の政界財界と長い深いつきあいがあるのも知っている。ということは、この本に書かれているのは空想ではない。「ありうる」ことなのである。それが一番不気味である。

筆者は「フィクション」と断っているが、本作品のベースにある政官民癒着の構造は、日本のODAの実態を鋭くえぐったものである。筆者の大手金融機関におけるビジネスの経験なしには書き得なかった迫真の作品であり筆者の社会不正義に対する熱い怒りが沸々と伝わってくる。

Takashi Shima